鬼滅の刃を西洋占星術の天体ドロップで解説!

みんなに大人気、鬼滅の刃を、作者である吾峠呼世晴さんの西洋占星術のホロスコープとどんなふうに関連しているのかを読んでみます。

天体はその人の中にあるキャラクター。
星座(サイン)はキャラクターの性格です。
誰でも10人のキャラクターを持っています。
ホロスコープがよくわからない人にも少しでもわかってもらえるように、天体ドロップシートも作ってみました。

吾峠呼世晴さんのホロスコープの特徴

土と水サインが多い

現実のやらなければならないこと(鬼を倒すこと)というミッションと、敵味方問わず背景となる思い出やストーリーがあり、やられそうなときに走馬灯のように記憶が蘇ります。
やるべきことは土のサイン、過去の記憶は水のサインです。
基本的には、やるべきこととなぜそれをやるのか、そこにどんな思いがこめられているのか、というエピソードで進んでいきます。

主人公が水の呼吸からスタートするのも、水サイン天体があるからなのでしょう。

土と水のサインは相性がよく、水のサインの天体はふたつしかありませんが、土の天体とコンビネーションを取って物語を彩っています。

風サインは客観性

風サインは双子座だけですが、風サインは客観的です。
そして双子はツッコミ。
土と水だけだと重たくなっていきそうなところを、ひねりの効いたセリフやツッコミで笑いを誘います。
また、風サインはロジカルさもあるので、技や戦い方がゴリ押しだけでなく、考えながら進んでいきます。

火のサインの天体はゼロ

この世代の人は、火のサインの天体がない人が多くいます。
火のサインで表されているのは、表にもありますが、情熱、闘争。
強さが重要で、強さを示すためにバトルをし、勝とうとします。
そこには愛情も恨みもありません。
実績や体裁なども関係ない。
本能的に戦っていきます。

この物語にでてくる人は、あまりそういう人がいません。
誰かを守るためにだったりとか、復讐のためだったりとか、鍛錬の成果を示すためだったりします。

また、火のサインは楽観も表します。
お気楽で能天気、おバカな笑いがあるのが火のサイン。
この物語は楽観できるようなシーンは出てきませんよね…
ふざけたギャグもほとんどありません。
笑いが出てくるときは、クールなツッコミ(風サイン)によるものです。
ちなみにボケは水サインです。

活動宮と固定宮が多め、柔軟宮は少なめ

ストーリーはドタバタと戦いつつ、無残を倒すという最終目的のためにじっくりこってり進んでいきます。
柔軟宮が多いとインターバル的なエピソードがもっと入ると思うのですが、天体が少ないので戦車のごとく疾走していきます。
そのかわり、長引くことなく連載がきちっと終わりました。
ちゃんと終わりを決めて始めるのが固定宮です。

牡牛座っぽさ

太陽、月、金星が牡牛座です。
一番の牡牛っぽさは、各キャラがもともと持ち合わせている能力です。
牡牛は五感を司るサイン。
嗅覚に優れた炭治郎、聴覚に優れた善逸、触覚に優れた伊之助。
全員、生まれ持った能力が五感に関わるものになっています。
お館様である産屋敷耀哉の不思議な声もそうですね。

そして、牡牛といえば「睡眠」!!

特に月が牡牛の人から睡眠時間を奪ってはいけません。笑
善逸は寝て能力覚醒をします。
また金星はヒロインを表しますが、禰豆子は寝て回復します。
睡眠が物語の重要な鍵になっています。

体を鍛えて修行するのも牡牛の世界です。
肺自体は双子座の象徴ですが、肉体に直接アプローチするのが牡牛っぽいかなと。

義勇さんの「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」というのも牡牛ですね。
ハガレンの「立って歩け、前へ進め。 あんたには立派な足がついてるじゃないか。」と同じ感じです。
他人に握らせるのは、蠍の話です。蠍が他人のを握る場合もあります。

また、鬼の弱点は首です。
牡牛の身体対応は首、のど。
これもとても牡牛っぽい設定です。

双子座っぽさ

水星と木星が双子座です。
水星は知性や情報を表しますが、ここでは技が水星かなと思います。
「呼吸」ですね。

双子は身体象徴では呼吸器系を表しています。
発展をあらわす木星もそばにあることによって、この呼吸という技を発展させていくことによって、敵を倒していく可能性がどんどん広がっていくことになります。

噂話も双子の象徴です。
ストーリー外で「大正コソコソ噂話」が出てきますね。
ストーリー外にはみ出る感じは柔軟宮ぽいです。

キャラクターでいうと水星は若者、木星は庇護者や母親になります。
少年漫画なので、出てくる人たちが総じて若いし、子供が多いですが、みんな頭の回転が速いですね。
また女性はしのぶさんにしろ、珠代さんにしろ、知性を使う人達で、炭治郎たちを助けるサポーターでもあります。

蟹座っぽさ

火星が蟹座です。
火星は志をともにする同士であり、また拳を交わす敵でもあります。
蟹座の火星は、身内を守るために戦います。
炭治郎を始め、この物語に出てくる人は大切な人を守るために戦う人が多いですよね。
敵味方問わず、蟹っぽいキャラが多いです。

蟹座の反対側の山羊座にたくさん星が入ってることもあって、この火星はすごく目立っています。

仲間思いだったり、家族思いだったりするキャラクターはここにあてはまりますが、蟹っぽいキャラが凄く多いと思います。
蟹座はお茶の間アイドルのような親しみやすさを持っているので、この火星は人気が出たひとつのポイントだと思います。

蠍座っぽさ

冥王星が蠍座にあります。
これは1984~1995年くらいまでは全員、同じ星座にあります。
冥王星は死と再生の星、カリスマキャラやラスボスです。

蠍は血縁のつながりを示すので、血を与えて仲間を増やす、そしてその仲間はある意味いったん死んで違うものとして蘇生する、欲望という情念で縛り付けコントロールするというのは、すごく蠍冥王星ぽい設定です。
また人を食らって強くなるというのも、すごく蠍っぽいですね。
自分以外のものと一体化して、より強くなるのはサソリの世界です。

そしてその中心にいるのが無残なので、彼が蠍冥王星の一番の象徴です。

しかし脈々と先祖から受け継いできたのは、産屋敷耀哉も同じ。
そう考えるとラスボス争いにも見えてきます。

また蠍は牡牛の対抗面にあります。
牡牛が主人公で蠍が敵、という図式にもつながるし、牡牛金星のヒロインの禰豆子が蠍冥王星の影響を受けて鬼となりつつ人間側につくという形にもなります。

山羊座っぽさ

山羊座には土星、天王星、海王星があります。
これも、1988~1990年くらいに生まれているとみんな同じ位置にあります。

鬼殺隊や鬼の上弦下弦の月たちなど、階級がきちんと決まっていて組織になっているというのが山羊の世界です。
しかしその中には天王星的な変わり者や、土星的なお硬いタイプや、海王星的な浮世離れした人たちも混ざっています。

「育手」という師範代のような立場の人は土星で表されますが、それも山羊座にあるので、「型」を教えていこうとします。
教え方がスパルタなのは、土の世界ですね。

また、鬼殺隊も鬼チームもかなりブラック企業体質です。

鬼チームなんか意見することすら許されません。
上の言うことが絶対、というのも山羊っぽい。
蠍冥王星でがっつり命も握られていますから、逃げることも逆らうこともできません。

鬼殺隊はもうちょいマシに見えますが、あんまり変わらないと思います。笑
こちらの蠍冥王星は「想いに応える」みたいな形で出ています。

山羊が出す報酬はお金よりもステータスになります。
柱になったり、下弦から上弦になったりすることに価値があるわけですね。
同じ土の星座でも、牡牛の場合は、そんなことより金寄越せになります。

各キャラは何座?

以下は、各キャラは何座なのか考えてみます。

竈門炭治郎

公式の誕生日は蟹座です。
主人公なので牡牛キャラと言いたいところですが、それだけではありません。
蟹の火星と山羊の土星も組み合わさっています。
家族思い、妹思い、そして仲間思い。そのために戦う蟹火星です。
戦いの全体の流れを見極めたりしているのは山羊ですね。
牡牛も蟹も割と目の前のことしか見えないので。

また、誇り高くってどんな意味?と伊之助に聞かれて、
「自分の立場をきちんと理解して、その立場であることが恥ずかしくないように正しく振る舞うこと」
と言います。

これはすごくハッとしました。
うわっ! 山羊土星だ!

これ、私なら「自分自身の中にある正義に背かないこと」と答えます。
山羊とは対立する、牡羊土星です。
自分の意志より立場の方が大事なんだ! さすが山羊!
なかなか震えが来るセリフでした。

(余談ですが、鬼の累も「自分の役割を理解してないやつは生きてる必要がないと思ってる」と言っています。
それで疑似家族を作っていくわけですが、これも山羊と蟹のコンビネーションです)

素の部分は牡牛臭いところもあって、判断が遅い! なんて殴られてます。
固定サインは判断遅い。笑
あとはきっちりカゴの代金を払うところとか…牡牛、ものもらうの苦手。
嘘をつけないのも牡牛。

牡牛ー山羊の120度して描かれているところと、蟹ー山羊の180度として描かれているところがあると思います。
この組み合わせは専門用語で調停のアスペクトといって、社会的発展のある組み合わせです。

竈門禰豆子

公式の誕生日は山羊座です。
ヒロインは金星、牡牛のキャラクターです。
反対側、180度の位置に蠍座の冥王星があり、鬼に変容してしまいます。
変容は蠍ですね。
しかし鬼になりつつも主人公側で戦うので、彼女自体は牡牛金星キャラです。

我妻善逸

公式の誕生日は乙女座です。
女の子好きなヘタレキャラですね。
女の子好きのナンパな感じは双子、ヘタレキャラは蟹です。
蟹火星の反対側、180度の位置に山羊の土星があり、土星は先生です。
厳しい育手がダメ出しをしていて、ますます自信がありません。
さらには山羊の天王星もあるので、キレッキレなキャラになっています。

でもそうは言ってもやっぱり、蟹ちゃんてアイドルなんですよね…
善逸が出てきて物語のトーンが「努力、修行」といった土サインくささが減って、なごみます。

ひとつの型しかできない、というのも、火星と土星のコンビネーションです。
刀を鍛えるようなアスペクトと言われていて、集中して研ぎ澄ますような形なのです。
眠りながら戦っているときの善逸の様子がそのまま表されています。
その状態に入る前に、ばつんと切れるのは天王星の力です。
「切り捨ててステップアップ」の星ですが、そのまま切れてて面白いですね。

嘴平伊之助

公式の誕生日は牡牛座です。
伊之助が実は一番難しいですね…
猪の被り物をしていて、西洋占星術の世界で「猪突猛進」といえば、牡羊座なんです。
獣っぽい野性味とか、喧嘩っ早さとか、いかにも牡羊なのですが、なんだかどうしても「違う」って感じなのですよね。
なんだか被り物っぽいのです。

中身はかわいらしい容姿で、うっかり気を抜くと「ほわほわ」してしまう。
やっぱり蟹火星じゃないかなと思っています。
火星はもともと牡羊座の支配星なので、牡羊に擬態している蟹という感じです。

炎柱・煉獄杏寿郎

公式の誕生日は牡牛座です。
私、最初にアニメでこの人を見たとき、ちょっと怖かったです。
無機質で空洞な感じがしてしまって…
映画を見るとまた印象が変わるのかもしれません。

この人は「考えてもわからないことは考えない」とものすごく潔い人です。
でもなんだか取り付く島もない感じもしますよね。
最初に炭治郎と禰豆子を見た時も「裁判の必要などないだろう! 鬼を庇うなど明らかな隊律違反!」とばっさりです。
ドライさと決断の速さ、指示の的確さからやっぱり山羊座の土星かな…と思います。
その後の炭治郎の生き方の指針にもなっています。

水柱・冨岡義勇

公式の誕生日は水瓶座です。
言葉足らずなところは牡牛っぽくもあるのですが、自虐っぽい部分もあるので、乙女座としてみました。
吾峠呼世晴さんは乙女座天体は持ってないのですが、実はドラゴンテイルが乙女座にあります。

ドラゴンテイルは物語の逃げ場。切り替え点みたいな感じでしょうか。
最初に二人を助けたり、柱の中で率先して炭治郎たちに味方したりして、物語がジ・エンドにならないようなサポートをしています。

蟲柱・胡蝶しのぶ

公式の誕生日は魚座です。
この人も乙女っぽいですね。乙女座は医療を司ります。
ただし、毒は魚座。魚座にはドラゴンヘッドがあります。
後方支援にも尽力しており、柔軟宮ぽいキャラクターです。

鬼舞辻無惨

彼はラスボスです。蠍冥王星キャラです。
しかし、牡牛っぽさもあるよなぁと思います。
「私が嫌いなものは変化。好きなものは不変。完璧な状態で永遠に変わらないこと」と言っていて、固定宮みあふれています。

鬼殺隊のお館様も蠍冥王星キャラです。
二人が対峙するシーンでは、産屋敷耀哉が「人の想いこそが永遠」といい、鬼舞辻無惨は肉体に固執します。
肉体は牡牛、想いや感情は蠍なので、鬼舞辻無惨は「ダメ主人公」である牡牛の月が表してるのではないかと思います。

人気ないそうなんですが、私も牡牛の月なので、この人の気持ちもわからんでもないなーとか思ったりするんですよ。
好きではないですけど…笑

番外・無限列車は何座?

現在、大ヒット上映中の映画、無限列車編。
列車の中で行方不明者がたくさん出ているということで、炎柱の煉獄杏寿郎とともに、炭治郎、禰豆子、善逸、伊之助も列車に乗り込みます。

列車のように長距離移動するものは射手座なのですが、インフラとしての列車は山羊座になります。
レールが敷かれて目的地以外の場所に行けないというのは、土星っぽいです。

作中、眠るというのがキーワードになっています。
上にも書きましたが、眠りは牡牛。
しかし夢は海王星が司っていて、この列車は山羊の海王星列車に思えました。
自分ではやらず、人を使って夢を見せるのも山羊っぽいです。

ヒットの理由は

繰り返し書いてきましたが、ご本人の太陽や月がある牡牛よりも、山羊座と蟹座の強いお話です。

2018年から現在まで、山羊座に土星があって、この方は土星回帰、サターンリターンと呼ばれる時期に入っています。
自分が生まれたときから持っている土星の位置に、現在の土星がまたやってくることです。

連載開始当初は山羊というより、炭治郎がどのように修行したかという、牡牛っぽい部分が描かれていましたが、鬼殺隊に入ってからは山羊っぽさが増し、自動的に反対側にある蟹っぽさも強くなっていきました。

今現在、山羊には土星のほか世間のいいねボタンである木星と、世代共通の価値観を表す冥王星が入っています。
今年いっぱいはみんなの気持ちが山羊っぽくなっており、山羊をテーマに描かれているこの作品のヒットに繋がりました。

山羊っぽい気持ちってなんじゃという感じですね。
作品を読んで感じたのは、総じて登場人物たちの個人の意志の薄さです。
身内のため、大義のために戦っている人が多く、キャラクターが薄く感じました。(ファンのみなさんごめん)
長いものに巻かれて苦しい戦いをしている。逃げ場がない感じ。
ダメな山羊の姿に見えるのです。

でも薄いほうが大勢の人の気持ちを引き寄せられます。
それぞれの人達のいろんな夢や妄想を投影することができる。
濃すぎるとマニアックになっていて、少数にしかウケないんですよね。

個人の意志の薄さは例えば、カナヲちゃんの「全部どうでもいい」と言葉にも表れています。
しかし牡牛みのある炭治郎の言葉がきっかけで、自分自身の意志を見つけようとし始めるのは、希望があるかなと思いました。

以下は、西洋占星術上級者編です。
上の記事がお気に召した方は、ぜひサポートよろしくお願いいたしますね〜😊

それと別記事で萩尾望都さんとの比較もしてみたいと思っています。
すぐには書けないのですが、どうぞお楽しみに。

・なぜ舞台に大正時代を選んだのか? そして最終回の意味は?
・実際に炭治郎や禰豆子たちのホロスコープを出してみたら?


について更に書いてみました。長い!

 

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