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人は言葉によってコミュニケーションを取る生き物である。
同じ言葉を話していても、誤解はどうしても生じてしまう。
同じ単語なのに、違うものが頭に浮かぶ。
それは、避けられない道であり、宿命でもある。
「スーパーカップを、食べました」
この一言から、何が頭に浮かぶだろうか。
自分は迷いなくカップのアイスクリームが浮かぶ。
しかし、カップラーメンが浮かぶ人もいるという。
スーパーカップといえば、明治エッセルスーパーカップである。
なのに、しょっぱくて大盛りのカップ麺が浮かぶ人がいるとは。
スーパーカップは定番のアイスであり、味のバリエーションも多い。
アイス界の礎になっているアイスのひとつであるのは間違いない。
季節ごとに限定の味が出るが、基本のバニラは超バニラと名付けられている。
それほどに、バニラを上回るバニラである。超バニラ。
ラクトアイスとは思えない実力を発揮する、スーパーカップ。
間違いなく、国民食といっても過言ではないだろう。
それに対してカップ麺のスーパーカップ。
1.5倍というボリュームで攻めてくる上に様々な味が存在している様子。
カップ麺をこの数年食べていないので、あまり詳しいことは分からない。
それでも15種類のスーパーカップがあるのだから、人気の程がうかがえる。
明治エッセルスーパーカップか、エースコックのスーパーカップか。
あれ。エッセル？エッセルとは何だろう。
エクセレントとエッセンシャルから生まれた商品名が、エッセル。
ということは、自分がスーパーカップと呼称していたものは、エッセル。
エッセルの味とボリューム感がスーパーなので、スーパーカップ。
スーパーカップというのは、サイズ的なフレーバーテキスト。
あくまでもあのアイスは、エッセルという商品ということだ。
カップ麺のスーパーカップは、商品名としてスーパーカップ。
スーパーカップを食べる。
というのは、商品名的にはカップ麺の方に軍配が上がるのだろうか。
いや、そうではない。
現代日本において、どちらもスーパーカップであることに間違いはない。
アイスなのか、カップ麺なのか。
その差異を埋めるために、人はさらなるコミュニケーションを重ねるべきだ。
スーパーカップは、スーパーカップであることに変わりはないのだから。

（桜田ケイ）