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ハーゲンダッツが、新たな挑戦を始めた。
「ストーリータイム」と銘打ったシリーズである。
今月初頭に売り出されたのは2つの物語。
「アリスの紅茶~クッキーを添えて~」
「白雪姫の林檎~カスタードとともに~」
この2つのカップアイスは、新しい時代の幕開けとも言える。
もちろん、どちらも美味しい。ものすごく美味しい。
それはそうだ。ハーゲンダッツなんだから当然である。
しかもその上に、物語が重ねられている。
アリスにはダージリンのアイスクリームとバタークッキー入りマスカルポーネアイスクリームが。
白雪姫にはカスタードアイスクリームの中にざくざくとしたりんごの果肉が入っている。
どちらもカップを開けた時にまず目に入るのが可愛らしいハート模様。
それも、美味しい。一切の妥協がない。完璧に、美味しい。
部分でも美味しいのはもちろん、全てを口に入れた時の多幸感は筆舌に尽くしがたい。
アリスと白雪姫というメジャーな物語が、ハーゲンダッツのカップで表現されている。
だが、考えてみてほしい。
ハーゲンダッツがこれで止まるのだろうか。
否。
断じて、否である。
ストーリータイムという名が意味しているものは何か。
これからのハーゲンダッツがどういうスタンスで進むのかを示唆しているのではないだろうか。
世界に散らばる様々な物語を、ハーゲンダッツのカップに閉じ込める。
シンプルな商品名で、食材の組み合わせで名をつける時代の終焉。
物語そのものがアイスの味を示唆する新しい時代が到来する。
無限の可能性を秘めた「ストーリータイム」というラインナップ。
次はいったいどんな物語がハーゲンダッツ化されていくのか。
一瞬たりとも目を離すことができない。
どれもきっと美味しいのは間違いないのだから。
(桜田ケイ)