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「まじめなおかし」を自称するお菓子がある。
それは、ミレービスケット。高知出身のビスケット。
60年以上の歴史があり、キャラを描いたのはやなせたかし。
野村煎豆加工店というお店が、まじめに作っています。
ミレービスケットは、ほんのりとした甘みと塩気のバランスが絶妙。
ビスケットながら焼くのではなく揚げてあるというのもポイントに。
素朴な味わいながら、後を引き、いつまでも食べたくなる。
確かに、ミレービスケットを単体で見る限り、
「まじめなおかし」というのは間違いなさそうだ。
しかし、派生系ミレーというべき商品がある。
ミレーサンド、ミレーミレーアイス、朝のミレー、昼のミレー、夜のミレー。
フレーバーも多く、ノンフライのものまであり、その種類には驚かされる。
ほんとうに、まじめなおかしなのか。と、首をかしげてしまう。
まじめなら、ほんとうにまじめなら、ミレーはミレーでいてほしい。
それほどまでの多様にどんな意味があるのだろうか。
そう思い、調べてみると、多様なミレーは、他社で作られている様子。
ミレーサンドはモンプレジールという高知の洋菓子屋さんが。
ミレーアイスは高知アイスが製造者となっている。
これは如何なる事だろうか。
ミレービスケットは変わることなくコツコツと真面目に進んでいる。
そんなミレービスケットを弄ぶように、サンドやアイスに加工する。
どれも美味しい。確かにどれもとても美味しい。
様々な種類のミレーを食べてみることによって、気づかされることがある。
どんな形になろうと味を加えようと、ミレーはミレーなのだという事実。
根底にあるミレービスケットは、どうなろうと変わらない。
「まじめなおかし」だからこそ、ミレーはミレーであり続けることができる。
道を違えず進んできたミレービスケットは、真にまじめなおかしなのである。
(桜田ケイ)