今と先のバランス

私は去年までずっと医療機関で働いていました。もう10年以上前になりますが、頭痛持ちの患者さん（中年女性）とこんな会話を交わしたことが忘れられません。

患者さん「頭痛がひどい時もあるけどお医者さんに出してもらった鎮痛薬はなるべく飲まないの」

私「どうしてですか？痛いとつらいでしょう？」

患者さん「だって何度も飲んで、何か悪い作用がもっと年寄りになったときに出たら困るでしょう」

私「？！」

まあツッコミどころは色々あるのですが、一番私がビックリしたのは遥か先の起きるかどうか全く分からない副作用のために今の辛い痛みを我慢しているということ。ある意味想像力豊かというか・・・年寄りになったときのことはあくまで可能性なのだから（こんなこと言ったらアレですがどこまで生きるかも誰も皆わからないことですし）今この時点の生活を痛みなく普通に暮らせることが大事だと思うのです。（この後この方の不安を解消すべく必死に色々説明しました。あとこの話は大分前のエピソードであり、今は薬についての説明をしっかりするのでこういう不安をもつ方にはあまりお会いしなくなりましたね）

この例は極端だけど、同じように先のことばかり考えて今必要なことをしない人はほかにもいるのではないでしょうか。あと「もしこうなったらこうするんだけどなあ」みたいに先送りする型。こうなったら、って未来を純粋に来ると信じているのはおめでたい所がありませんかと思ったりします。先に持っていく理由のないことも先に送ってたりします。それはやっちゃえばよいのでは？

かくいう私は今やることはすぐ動けるのですが、反対に先に目がどうしてもいきません。近視眼的になりがちで長期的展望を描きにくい。って子どもか。（子どもって幼児のうちは本当に「今」しかないし、もう少し大きくなっても明日以降の日程も全部「あした」だったりする）

結局は先を考えつつ今を大事に繰り返すという（今の延長にしか先は無い！）、「バランス」をとることが一番なのでした。これが私には一番難しい！

最後に一言「頭が痛い時は我慢しないで早めに薬を飲んで休むのが今やること」です。
（あんこ）