11時~16時半 向真希 ご予約満席です!ありがとうございます

17時~21時  桜田ケイ 早い時間は、間々に空きあります!

当日のお問い合わせは電話:03-3220-9477 にてお問い合わせください!

「水曜トナカイ12か月講座」受講者ブログは→【コチラ

********************

円形のくぼんだ型に小麦粉ベースの生地を流し込み、あんこやクリームを入れてはさむ。
焼きあがりは厚い円形で、こんがりとしたきつね色は食欲をそそる。
熱々でも、冷めても美味しいこのデザート。お祭りやちょっとした軽食コーナーでも見かけます。
基本的につぶあんが入っているものとカスタードクリームが入っているものが多いようですが、
それ以外にも様々なものを内包します。キャベツと豚肉をはさんだものも存在するようです。
さて、その名を一体何と呼ぶのか。それは地域によってかなりの差があります。
自分が子供のころは「おやき」と呼んでいました。北海道札幌市南区。
関東に出てきて聞いた呼び名は「今川焼き」。「大判焼き」と呼ばれていたのを耳にしたこともあります。
調べてみると「回転焼き」「二重焼き」「あじまん」「太鼓焼き」「ホームラン焼き」「満月焼き」「甘太郎焼き」。
その名は多種多様。同じ県内でも違う呼び方をしているところもあるようです。
自分にとっては単なる「おやき」でしかなかったお菓子は、これほどまでにたくさんの顔を持っていたとは!
しかも「おやき」という呼び名は関東では長野で有名な野菜を包んだ焼き料理の方が有名とは!
何重もの驚きは少なからず衝撃的でした。
あれほどまでにありふれた日常的な食べ物「おやき」。ある人にとっては「今川焼き」であり「大判焼き」だったりもする。
誰しも一度は食べたことがあるであろうあの厚みのある円形の和菓子。
ちょっとしたおやつに、小腹がすいた時に、友人宅に遊びに行く時に、喜ばない人はいないあの背の低いい円筒形のお菓子。
けして高価なものではなく、帰り道の小学生がお小遣い程度でも購入が叶うあの丸くてきつね色のおやつ。
凡庸な見た目とは裏腹に数多くの名前を持っているけれど、どんなところで食べても味にはそれほどの差異はありません。
だからこそ、人々に愛され続けているのでしょう。
特別ではないがどこにでもあり、誰もが知っているけれど本当の名前は誰も知らない。
街を自由に行き交う猫がいろいろな家で違う名前を付けられて餌をもらっているように、
子供の頃に食べていた「おやき」は「今川焼き」として関東で愛され、「回転焼き」として関西で食され、
その他千差万別な名前で様々な地域で様々な人達を日々喜ばせ続けているのです。今までも、これからも。

(桜田ケイ)