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一年のケーキは元旦にあり。そう古来より言われていますが、さすがに正月からケーキという家庭は少ないでしょう。
一年の始まりに食べるのはおせち料理。その中の甘味といえば、栗きんとんです。
漢字で書くと「栗金団」。金団は金の布団を意味し、商売繁盛や金運の象徴としておせち料理に入っています。
栗きんとん。栗の甘露煮をさつま芋で作った餡に混ぜ込んだ甘味。
栗やさつま芋本来の甘さを楽しめる、正月らしい一品です。
栗きんとんの楽しみといえば、餡の中に隠れた栗を探し出し食べること。
栗きんとんはさつま芋の金団に隠れた栗という宝物を探す宝探しでもあります。
これからの一年が幸せでお金に困らないように。そんな願いを込めて、人々は金団の中に栗を求めます。
栗きんとんに込められた人々の願いは、喜ぶが込められた昆布巻きや五穀豊穣を願う田作り、学力向上を祈る伊達巻、
その他たくさんの願掛けが成されているおせち料理の中で、甘味としての地位をしっかりと守り続けています。
栗きんとん。栗金団。ゴールドラッシュに沸く炭鉱のように、人々は正月に栗を求め金団を掘り進める。
これからの一年が穏やかで幸せな年になるよう祈りながら。
（桜田ケイ）
