１１時～１６時半　如月沙世

１７時～２１時　　桜田ケイ

※桜田ケイ、来週１０月７日はお休み致します。向真希が代わりに入ります。よろしくお願いします！

１４時～１７時「水曜トナカイ１２か月講座」※満席

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いちごをつぶし、砂糖をまぶし、牛乳をかける。
子供のころ定番だったいちごの食べ方、いちごミルク。
いちごをつぶすスプーンは、いちごをつぶすためだけに存在し、
まるで柄の先にいちごがついたようなデザインで、
先が割れていて、平らな部分はいちごのようにつぶつぶしていて、
柄につながる部分にはへたが描かれたような記憶があります。
最近は甘いいちごが増えたので、使われなくなっていると聞きました。
いちごをつぶし、砂糖をまぶし、牛乳をかける。
自分は最初に大きめにつぶしたいちごを食べてしまい、
それから最後にいちご味の甘い牛乳を飲むのが好きでした。
確かに今のいちごは甘いので、砂糖はあまり必要ないかもしれません。
たまにアクセントとして練乳をつけて食べるのは美味しいですが。
それでも思い返してみると、練乳ではなく普通の砂糖をかけて、
つぶしたいちごと牛乳とが混然一体となって醸し出す味わいは、
子供のころの自分にとって、極上の美味しいデザートでした。
いちごをつぶし、砂糖をまぶし、牛乳をかける。
果物の枠を越えたいちごと、単なる砂糖ではなくなった砂糖と、
それをまとめて飲み物でもあり食べ物でもある存在となった牛乳。
ひとつの器の中で足し算ではなく掛け算的に美味しくなる逸品。
いちごミルクは、甘くなったいちごには必要のない行程であり、
いちごをつぶすスプーンは、使われない道具になりました。
酸っぱいイチゴがいいとは思いませんが、
いちごをつぶし、砂糖をまぶし、牛乳をかける。
ただ無心にいちごミルクを作る時間は、
ひょっとしたら子供よりも今の大人にとって必要な時間かもしれません。
いちごをつぶし、砂糖をまぶし、牛乳をかける。
年末に向けて慌ただしくなる前に、
そんな無為で有意義な時間を作ってみてはいかがでしょうか。

（桜田ケイ）