引っ越しの日
今日は朝から、如月さん、天海さん、甘夏さん、岩田さん、maruさん、さい子さんが集まってくれて、引っ越し荷物の積み込みと荷卸しを手伝ってもらいました。レンタカーを借りて桜田くん運転ということで、ほんとに分業です。分業のお手本、分業のデパート、分業市場、分業広場(もういい)夏休みでうちでゴロッとしていた運動部高校生も荷運び要員で連れていって、あっという間に中野トナカイ、空っぽになりました。みんな空の部屋に一礼して部屋に感謝の一言。部屋に一礼じゃなくても、合鍵を持っていた人が鍵を返すときも「ありがとうございました、中野トナカイ」と手を合わせてから返してくれるので、ちょっと面白かったです。なにかが宿っているのかー。
阿佐ヶ谷の「ウラナイトラカイ」で、ミズマチさんと待ち合わせ。桜田レンタカーで、わたしとミズマチさんは、椅子や照明など足りないもののお買い物に出発。残ったみんなは、荷物の整理をしつつ、「トナカイノニカイ」で、窓全開で扇風機つけて、コンビニでいろいろ買いこみ、まったりランチ休憩を楽しんだそう。北西向きで窓が3か所あるので、そんなに長時間でなければ、冷房なしでも木陰程度の休息はできたようです。
買い物部隊の桜田、まつい、ミズマチの3人は、IKEA、ニトリ、島忠、全てのビルの駐車場が屋上で、全体的に熱されていました。途中わたし、軽く熱中症の症状が出かけて、塩飴を買ってもらいました。(水分だけじゃだめなんですってね)
そして買い物終了後、桜田くんはレンタカーを返しに、ミズマチさんは静岡の実家から急行した向さんと待ち合わせて、新店舗の内見。まついは、中野トナカイの不動産屋さんと大家さんに挨拶に行って、部屋の最終点検をしてもらい鍵の返却をしました。このときに、わけのわからない私たちに、破格の値段でさっと貸してくださり、好きなように使わせてくださりありがとうございました。みんなを代表してお礼をいうことができました。シングルママだったり、子どもが小さくて夜のシフトに入れなかったりの占い師さんも、そもそもの家賃が安いから、午前中や昼間の営業ができて、格安で濃い講座ができて、それで勉強して売れっ子のライターになったり、他の店で自立できるようになったりして、ほんとうにみんな大家さんに感謝しています、と伝えることができました。まついさんありがとうと言われることもあるけれど、わたしはそれ大家さんありがとうございます、ということだと思っています。小柄な大家さんは「長いこと借りてくれてありがとう」「こちらの都合で退出のお願いすることになってごめんなさいね」と何度もいわれたけれど、この社会で居場所がみつけにくい立場の私たち(わたし学歴も職歴も資格もありません)が、この場所にとても助けられたということに、パッと顔色が明るくなりほんとうに嬉しそうにしてくれました。あの愛相の崩れた笑顔、みんなにも見せたかったな。そしてこの7年間で、私も少し大人になって、今度は親の介護とか、自分たちの人生後半の設計をどうするかとか、店を運営するテーマが少し変わってきていることにも、みんなと移転の話をしていて気が付きました。今度は少し固定費が高くなり、そのかわり自由度が増える運営にしていこうと思っています。自由度が高いという事は、自分好みにして良いという事ではなく、人の指示を待ってから動くというのでは間に合わないということです。自分のことを考えると同時に、周囲の人たちのことも考えるという店が始まります。
少し不安になり、移転お知らせのチラシをみながら「ダイジョウブかなー」と口の中でつぶやいたら、「阿佐ヶ谷いいですよ、絶対に大成功ですよ」と大家さんと私のやりとりをみていた不動産屋さんが太鼓版を押してくれました。そしてなぜか、ブロードウェイの廊下で、頑張りますいえぃ!と腕を振り上げて、みんな笑って解散しました。
なんてだらだらと長い日記でしょう。明日はライトよ、たぶん。(店長・まつい)