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前回よりスタートした隔週でお届けする『さい子の森』第2回目です(勝手にシリーズ化、今名付けた)。
このシリーズではタロット研究家でもあり映画監督でもあるアレハンドロ・ホドロフスキー氏のタロット世界観をシェアしたいと思います。好きだから。
彼は「タロットの道(The WAY of TAROT」という本を書いていますが、その趣旨は「タロットを自らのスピリチュアルティーチャーにする」です。そのために自分の内面を投影するツールとしてリーディングする方法を本の中で説いています。しかし、それは彼が伝えたいことのほんの一部。
ここを見てくださる人の中にはタロットに興味のある人も多いと思うのですが、みなさんはタロットにどういう意味を与えていますか?(意味を与える、という主体的な問いの立て方も彼らしいなと思います)
ホドロフスキーは釈迦の「真実とは役に立つもの」という教えを選択の基準にすることが多く、そこからタロットに「セラピーとして活用する」という意味を与えました。そしてヒーリングの定義を以下のように述べています。

「”癒すこと”とは何なのか。すべての病気、すべての問題は停滞の産物です。それが肉体的なものでも、セクシャルなものでも、感情的なものでも、または知的なものであってもです。ヒーリングとは人のエネルギーの中に流れを取り戻すこと」
しかし、映画を見た人なら分かると思いますが、この爺さんはくわせ者なのです。あのホドロフスキーが単なる優しい癒し手になるはずがない。ここからが彼らしいなと思うところなのですが「タロットをクリスタルボウルのように使うことに替えて、不確定な未来に入り込むエキゾチックな予言者になることを可能にしてくれる道具にする」ことにします。単に停滞していたものの流れを取り戻すのではなく、未来をつくる。まさにマジシャン。ホドロフスキーはタロットで未来を当てることはできない、今の心理状態をみるだけだと言います。それは未来は不確定でこの先どうなるか決まってはいないから。彼にとってタロットリーディングとは、意識を変革するために、今を見ることなのです。(觜森さい子 )
毎月第2・第4水曜日開催 ホドロフスキータロット研究会はこちら