向真希 12時半~17時 ご予約枠満席です!当日突然鑑定はおためしタロットのみになります。ご希望の方は17時頃お越しください。
桜田ケイ 15時~20時 のんびり座ってます。GWイベントのチラシを入口横ラックに置いておきます。
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和三盆。初めてその言葉を聞いたのはいつのころだったか。思い出すこともできない幼少期のある日、その言葉は自分に未知なる衝撃を与えました。
和三盆。それだけでは何を指しているのか、食べ物なのかすら分からないようなその言葉の響きから、まだ見ぬ大人の世界を垣間見せる特別な何かだということだけは伝わってきました。
最初に理解したのは、和三盆とは和菓子であるという認識。和紙に包まれた小さくて繊細な固まりは、口の中で解けつつほんのりとした甘味を残して消えていきました。
それから成長し、自分が和三盆だと思っていた和菓子が落雁であることを知りました。それではあの時に聞いた和三盆とは一体何だったのか。尽きせぬ疑問を抱えたまま日々は過ぎ、様々な甘味との邂逅があり、粒餡やクリーム達との蜜月を経て、その正体を知りました。
和三盆。特別で高位なる砂糖。その名は盆の上で三度砂糖を研ぐという製法から付けられ、その製法により粉のようなきめ細やかさを持つ特別な砂糖。上品な甘さと口どけのよさ併せ持つ最高級の砂糖。それが、和三盆なのです。
伝統的な精糖による和三盆は、四国の一部で寒冷期にしか精製することができず、原材料が半分以下に目減りする上、製造に1週間以上もかかるといいます。
和三盆、それはまさに日本の至宝。和三盆がほんのひと匙あるだけで、どんな空間も高級感溢れる上質な佇まいに変わることでしょう。
一口に砂糖といってもたくさんの種類があります。ザラメ糖や上白糖、黒糖グラニュー糖三温糖。その中にあっても頭一つ抜けた上品さを持つのが和三盆です。
和三盆。名前に糖とかついていないのに漂う風格と甘さ。和三盆。そう口ずさむだけで脳裏に広がる上質な甘さ。和三盆。和三盆。ああ素晴らしき哉和三盆。
和三盆はこれからも日本の砂糖界の重鎮として、甘味の世界を優しく見守り続けてくれるでしょう。そして和三盆に対する憧憬は今もこれからも日本人の心にあり続けることでしょう。私の心に、あなたの心に、そして全ての人の心に、ひと匙の和三盆を。
(桜田ケイ)