向真希 12時~17時 鑑定枠はご予約満席です。当日枠は15時~16時です。
桜田ケイ 15時~20時 タロット不連続講座:18時以降でしたら講座鑑定ともに空いてます。
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ひなあられ、それは桃の節句には欠かせないお菓子です。ですが、そのお話を自分がしてもいいのかについては本当に悩みました。
何故ならば、関西のひなあられは甘くないからです。いわゆるお餅を丸くして焼いて塩や醤油などで味をつけたあられ菓子的なものが関西で一般的なひなあられとのことなのです。
この事実を知ったのは自分が東京に出てきて数年経過してから。所用で出かけた2月下旬の関西で目にしたひなあられには衝撃を受けました。それは自分が知っているひなあられとは全くの違うものだったからです。
確かに地方によってお菓子は様々な形態を取るもので、必ずしもひとつのスタイルに収束すべきだなんて言うつもりは全くありません。ですが年に一度、桃の節句にのみ食べられるひなあられ。その特異なイベント菓子にすら大きすぎる違いがあることは自分の世界の狭さを見せつけられる思いを禁じ得ませんでした。
と言っても自分にとってのひなあられは、米粒状の砂糖がまぶされた甘い甘いあのあられであることは誰にも否定することはできません。
ひなあられ。ふわっと淡雪のような食感と口の中にひろがる柔らかな甘味。雪原のような白さの中に数粒見え隠れする木々の芽ぶきに模した緑。そして桃の節句にふさわしい桃色。毎日食べたいかと問われたら否定するであろうその味わいは、桃の節句という特別な日にこそふさわしい日本の心を余すところなく表現しているお菓子です。
季節の移ろいをお菓子で感じる。そして毎年この日が訪れたことを心から喜ぶ。雛飾りを愛で、白酒に酔い、ひなあられを楽しむ。そんなひな祭りが今年も過ぎました。
日本中の雛人形達は、次の桃の節句までの眠りに入りました。日本中のひなあられを作成していたラインも、次の桃の節句までは休止するのでしょうか。
甘くてもしょっぱくてもどんな味であっても一年のうちに数日しか販売されない特別なお菓子、ひなあられがある日本に生まれて良かった。そう思いながら残ったひなあられをそっと食べて名残りを惜しみます。
(桜田ケイ)