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節分が過ぎました。豆まきで使った大豆は鬼を打ち福を招くのに使用すると共に、年の数だけ食べると一年が息災に過ごせると言われています。とはいえ、意外と余ってしまうことが多いのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、きな粉。自家製きな粉作りです。作り方は簡単。粉にして砂糖を入れれば完成です。塩を少々入れるといいようです。節分用の豆は炒り豆ですが少しフライパンで炒るとよりよい風味が得られます。
きな粉を使ったお菓子の代名詞といえば、安倍川もち。静岡の歴史ある銘菓ですね。山梨銘菓の信玄餅も日本に欠くことのできないきな粉菓子です。こちらは黒蜜が付くのが嬉しいです。
大豆を使って作られるのがきな粉。その語源は黄色い粉（黄な粉）で、見たままのネーミングです。青大豆を使って作られたものは薄緑色になり鶯粉（うぐいすこ）とも呼ばれています。こちらの方が名付けとしては風雅を感じますが、やはり日常的に身近にある粉は安直率直に「きな粉」と親しみを込めて呼びたいものです。
そんな身近な存在であるきな粉。餅との相性が抜群なきな粉。水飴と混ぜるとくにっと美味しいお菓子になるきな粉。実は千年以上の歴史を持つきな粉。
良質なたんぱく質や食物繊維を持ち女性の味方にふさわしい存在であるきな粉。様々なミネラルを含有し子供からお年寄りにまで愛されるきな粉。
そんなきな粉が豆まきの残りから作り出せるのです。なんて素晴らしいことでしょうか。
節分は季節を分ける大切な行事です。豆をまき、豆を食べ、一年の幸せを祈ります。それはひとつの儀式として欠かせない意味合いを含んでいるものです。
その節分の後、残った豆を粉末に加工するだけで健康をサポートする栄養満点で美味しいきな粉が手に入る。そこには日本人の甘味に対する深い愛情と、目に見えない何かの暖かい恩寵を感じずにはいられません。
（桜田ケイ）
