向真希 １０時～１７時 １０時～１２時はホロスコープ基礎読み練習講座。ほぼ満席ですが当日参加も歓迎です！午後の鑑定枠はご予約満席です。ありがとうございます。
桜田ケイ １５時～２０時 夕方ぐらいからはわりとのんびり座ってます
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シュークリームはひとつの世界を内包した世にも稀なデザートです。褐色で一見堅固なその生地の中にはクリームを始めとして様々な甘い何かを包み隠しています。
一般的なのは、カスタードクリームと生クリーム。お店によって比率は様々で、試行錯誤の跡がうかがえるような素晴らしいものから安易にクリームを詰めただけのものまでその幅は限りなく広く、極上のシュークリームと最低のシュークリームとの差は天と地ほどもあります。
シュー生地に包まれている以上、その中身は食べてみない限りは分かりません。ひょっとしたら小豆が詰まっている可能性もありますし、チョコレートクリームという可能性も否めません。ひんやりしているならばシューアイスという選択肢も見えてきます。
それほどまでにシュー生地というものは制作者の意図を包み隠し、見る者にその中身を想像させ、思わず手に取り口にせずにはいられない誘惑を生み出す魅惑の生地なのです。
人はシュークリームを見ると手を伸ばし中を確かめずにはいられない生物です。どんな人にだってシュー生地に包まれたその世界を味わうことを止めることはできません。
ふたつに生地を開いてクリームをはさむタイプのシュークリームもあります。上の部分を取ってクリームをすくって食べるのも確かに美味しいのですが、シュークリームの真骨頂は覆われた世界とその内側にあります。
シュー生地もクッキー生地を使ったものやパイ生地のものなど様々です。生地の違いが中に隠されたものを喚起させるカギになっている場合があります。食べる前からシュークリームと我々人類の戦いは始まっているのです。
まず、手にとって重みを確認します。そこで予想以上に軽い場合、クリームがスカスカで食べた時に残念な気持ちになる可能性があります。覚悟しておきましょう。
そして、そっと一口食べます。最初の歯触りは生地から。そして生地の先にあるクリームへとたどり着いた瞬間は、コロンブスがアメリカ大陸に到達した時と同様かそれ以上の感動と興奮を与えてくれます。
まだ油断は禁物です。クリームが二層に分かれていたり、マーブル状になっている場合もあるので、中を一口確認したからといってそれで終わりではありません。
何よりも注意すべきポイントは、食べたことによって生じる圧力によりクリームが滑落してしまうことです。それは何があっても避けねばいけません。クリームの滑落はシェイクスピアでも描ききれないような悲劇です。
そうして食べ終わった時に、人はシュークリームというひとつの世界をその身に納めます。
見た目で判断するのではなく、その中身をきちんと味わうことで、分からなかったことを乗り越えて自分のものとする。
身近なところから遠い異国の果てまで、知り得ぬ世界は無数にあります。ひとつひとつのシュークリームを食べていくように、一期一会のこの世界を楽しみながら味わっていきましょう。
