11時~16時半 向真希 16時~空いています!

25日19時~21時 「ホロスコープ基本読み練習講座」残席5!

17時~21時 桜田ケイ 後半わりと空いております! 

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フロートの流儀は、奥深い。
メロンソーダにバニラアイスを浮かべたクリームソーダが基本形。
コーラフロート、コーヒーフロートなど、様々な飲料を用いる。
冷たい飲み物にバニラアイスを浮かべたフロート。
ストローと柄の長いスプーンが添えられることが多い。
まずひとつめの問題はそこにある。
飲物なのか食物なのか。
最初にアイスを食べるのか、飲物を飲むのか。
これは人によって分かれるが、アイスを一口。
ここから始めるのが最良と思われる。
何故ならば、時と共にアイスは飲物に侵食されてしまうから。
しかし逆にアイスが溶ける前の飲物を飲むべきだとう流派もいる。
確かにそれは正しい。
しかし、バニラアイスの尊厳を守ることを優先してほしい。
飲物はストローを深く差し込むことで十分に楽しめるのだから。
次に問題となるのは、境界に生じる薄片である。
冷たい飲物とさらに冷たいアイス。
ふたつが接するところには氷の薄片が生じる。
スプーンで崩し飲料側に追いやることはたやすい。
しかし、そっとすくって口に運んでみてほしい。
その薄片こそ、フロートがフロートであるからこそ生成されたものだからだ。
儚くも脆い薄氷。飲料でもアイスでもない存在。
その存在を慈しむことは、フロートを慈しむに等しい行為である。
さて、そこからも選択肢は限りない。
全てを溶かし込もうと可能な限り混濁を避けようと構わない。
どのタイミングでスプーンを置くのか、それも人それぞれである。
しかし、最初に全てのアイスを食べてしまうのは避けてほしい。
フロートがフロートである所以を否定することにつながってしまう。
飲料とアイスが手に手を取って、時に争いつつも奏でるハーモニー。
飲物とアイスの境界が曖昧になってこそ、フロートは面白い。
最後はストローにて締めくくることになるはずである。
飲物と食物が共存した稀有なる存在、フロート。
時間の経過、食べ方飲み方ひとつで変幻自在な顔を見せるフロート。
フロートは人の営み以上の多様性を持っている。
ひとつひとつのフロートに向き合ってこそ、フロートの世界が見えてくる。
それはまるで進化の系統図のような複雑さを内包した世界である。
当然、そこには正解はない。
フロートの流儀は、千差万別で構わない。
だからこそ、フロートの流儀は、奥深い。

(桜田ケイ)