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千秋庵といえば、山親父。
北海道で暮らしたことがある人は、そう言うでしょう。
出てきた出てきた山親父
笹の葉かついでしゃけしょって
スキーに乗った山親父
千秋庵の山親父
歌に合わせて上のフレーズを思い浮かべられるでしょう。
つい口ずさんでしまう人も多くいるはずです。
千秋庵は北海道のお菓子メーカーです。
六花亭や石屋製菓に比べて、本州での知名度は低そうです。
しかし、千秋庵は北海道のお菓子の礎を築いた会社なのです。
元を辿ると、千秋庵総本家。函館の和菓子店に行きつきます。
現在は岐阜の菓子会社の系列に収まっているようです。
1860年。北海道がまだ蝦夷地だったころに創業した千秋庵。
その後、小樽千秋庵・札幌千秋庵・帯広千秋庵・旭川千秋庵・釧路千秋庵と広がっていきました。
帯広千秋庵は、現在の北海道銘菓の覇者、六花亭の前身だったりします。
札幌千秋庵には子供のころよく訪れていました。
店内で地下水が飲めたり、喫茶室がおしゃれだったり、
幼少の自分にとって、特別な場所のひとつでした。
お菓子の多様化が進む昨今、千秋庵にはあのころほどの勢いはないのかもしれません。
それでも、着実に、確実に、菓子を作り続けています。
ノースマンを初めて食べた時の衝撃は今も忘れられません。
そして、なによりも、千秋庵といえば、山親父。
全ての人に愛されるシンプルな美味しさの山親父。
他のお菓子に比べてお土産にはなかなか向いていない山親父。
それでも、これからも、千秋庵は北極星のように、
ぶれずに静かに北の製菓業界を見守っていくことでしょう。
(桜田ケイ)