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クイニーアマンは美味しい。とても美味しい。
クイニーアマンはバターと砂糖の権化である。
クイニーアマンはふわりとさくりが楽しめる。
クイニーアマンはパンと菓子の枠を越えている。
クイニーアマンとはそもそも何なのだろうか。
クイニーアマンはフランスのブルターニュ生まれ。
１５０年以上前に生まれたらしい。
クイニーアマンをパンと呼ぶのは躊躇われる。
バターと砂糖の分量がパンを構成する粉よりも多い。
むしろ、バターと砂糖に紛れたパンである。
パンがパンのアイデンティティを保てる限界を超えて、
バターと砂糖を含有した美味しい何か。
それがクイニーアマンに他ならない。
クイニーアマンは菓子パンという態を取る。
しかし、菓子パンというにはあまりにバターである。
菓子パンという枠に入れるにはあまりの砂糖である。
クイニーアマンにおけるバターと砂糖。
本当はもっと多くのバターと砂糖を望んでいるのかもしれない。
しかし、これ以上のバターと砂糖は受け入れきれない。
だからこそ、クイニーアマンはあの姿を保つことができる。
クイニーアマン。
バターと砂糖を心置きなく味わうことができる至高の品。
クイニーアマン。
時にさくさくでふわふわで、時にジューシーな逸品。
バターの誘惑。砂糖の魅惑。
クイニーアマンは誘惑と魅惑に溢れている。
クイニーアマンはパンでもありお菓子でもある。
クイニーアマンはパンを越え、お菓子すら越える。
クイニーアマンはクイニーアマンという存在である。
クイニーアマンは、美味しい。

（桜田ケイ）