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お土産のおすそ分け。茨城の干し芋、うまいです、これ。

お土産のおすそ分け。茨城の干し芋、うまいです、これ。

干し芋です。じゃなくて「ガールズ・パンツアー」という茨城大洗を舞台にしたアニメ映画を見てきて、監督の水島務さんのホロスコープを思わず開いてみました。この監督さんには、アニメ業界を舞台にしたTVシリーズアニメ「SHIROBAKO」にも、ずーっとやられっぱなし(感動したということですよ)だったので、その時もホロスコープ開いたと思ったのですが、そのときはお仕事アニメということで、土のグランドトラインが目立つな!という感想くらいでした。今回、ガルパンを観て、再度チェックしてみると、射手座の太陽と水星すげぇ!という、射手サインの価値に対しての気づきです。

水島監督の土のグラトラの一角を担う、山羊金星と牡牛月は、監督が描くキャラの主人公、ヒロインに投影されています。職務に忠実、 へこたれない、投げ出さない、リーダーシップと安定感のヒロイン。「SHIROBAKO」の宮森あおいさんと「ガールズ・パンツァー」の西住みほさんには、 山羊女子の性質が見事に反映されています。時代と好まれるヒロインの分析を詳しくしたわけではないのですが、山羊座金星のヒロインは、確実に山羊座冥王星 で不安定になった時代の「頼れるリーダーとしての女子」の出現といっていいでしょう。ネットの感想サイトを覗くと、「みゃーもり(宮森さんの愛称)有能」 「西住さん有能」の文字で埋め尽くされています。視聴者である男子たちが、有能な山羊女子ヒロインをその頼もしさを歓迎していることがわかります。

ところで真面目でリーダーシップが取れる山羊金星のヒロインは、地味です。なんなら水島監督の内部ヒーローを象徴する火星も山羊です。このままだとアニメというエンタメで面白くなりそうな気配が全くありません。

ということで、ここに監督の射手座太陽と射手座水星が投入されます。射手は非日常の面白主義です。射手だけを単体で扱うと、どこまでも面白く走るだけなので、何もかたちにならないような気もします。しかし「山羊金星のヒロインを活躍させる」という決着点をもって挑むと、そこはアニメ制作の現場という戦場、戦車道という伝統武芸の部活という非日常の舞台設定が立ち上がります。大げさでなく死人が出るというアニメ制作の現場と、安全に留意された上の部活とはいえ砲弾飛び交う戦車道というのは、ルールを決めていかにおもしろくなるのかを柔軟に考えるという射手座の管轄そのものです。もっというと、基本スポーツは射手の領域なんですね。勝ち負けは射手にとって、「そのようなルールがある方がおもしろい」というだけで、実は勝っても負けてもどうでも良いのです。勝つという結論にこだわるのは、山羊の領域です。

アニメ業界を舞台にした「SHIROBAKO」にも、戦車道という部活を舞台にした「ガールズ・パンツァー」にも、射手座の水星的キャラクターが出てきます。山羊金星の成長の物語のために「ここは、こういう舞台だ」と射手的説明を運ぶキャラクターです。

それぞれ武蔵野アニメーション制作部先輩の矢野エリカさん、大洗女子学園生徒会長の角谷杏さんの2名です。わかりやすいように、別作品に関わらず、射手座水星の化身であるふたりは、茶髪ツインテールのロリータ体形のキャラです。矢野エリカ先輩は棒付きキャンディ、角谷杏生徒会長は干し芋を口にしているのも特徴です。常に食べているというのは、外部からのエネルギーを積極的に取り入れて、自分の可動範囲を広げているという象徴です。(現実でこれをやると個人の肉体が必要以上に大きくなります)

この射手水星の化身キャラは、山羊金星のヒロインを、寛容に見守りながら目的まで促す役割を持っています。この場合、射手水星はひとつ後のサインである山羊金星を助けるというより、同じ射手サインの太陽(作品のテーマ)を忠実に伝えるための伝令役です。つまり、この世界のルールは「アニメの面白さのために、いろんなことが起こる」ですね。そのルールのためには、山羊金星のヒロインは完璧であってはならない、失敗して落ち込み自信を喪失して、もうだめなのかという所から這い上がってこなくてはならない、射手水星である、このふたりのキャラの「ヒロインを見守る」「いざというときは、テーマに到達できるように適切な助言やヒントは出す」「けっして強権を発動させたり、無理強いはしない」などの役割が、きちっと共通しています。

山羊座金星のヒロインを成長させるのは、なんでもアリの混とんとした射手座の世界です。あれもおもしろい、これもおもしろいと次々と「山羊座金星」にとっては、不安定極まりないトンデモ要素を次々と突き付けてきます。それを整理統合して、「放映日までに納品させる」ことや「試合でチームを勝利に導く」という結論までたどり着く、この繰り返しで山羊座金星ヒロインが輝くわけです。

山羊座金星のヒロインをメインにして、視聴者を夢中にさせるアニメは、射手太陽のなんでもアリと、それをそつなく伝える射手水星というサブキャラが必要だったという話でした。

それにしても、山羊冥王星がなにかを作り直しているときに、ヒントになるのは射手冥王星にどれほど突飛でも、話としては出しておけ、自由に議論をしつくしておくべきだったという思いが消えません。(世間的に)。さらに射手土星時代に新しく定番になったものも大事なので、今の時代に何を定番にしておくのかは非常に重要だと思います。柔軟に寛容に、なんでも取り込んで広げていくという射手の性質の中で、これだけは社会の役に立つように、なにかしら見える形、ルール化しておくと、そこを基盤に世の中は動いていくという印象です。

ちなみに、前回の射手土星時期は、交通のインフラ整備が目立っています。ちょうどバブルで地価が高騰しているのですが、東北自動車道全線開通、青函トンネル開通、瀬戸大橋完成、(ついでに東京星図の射手領域に東京ドーム完成)。遠くに行くためのインフラ整備ですね。射手土星の時期に、東京オリンピックのために都市整備をするというのは良いアイデアだったんですけどね。ちなみに1962年の東京オリンピックのときも、射手土星の時期に無茶やっています。日本橋の上に高速道路渡したり。

1995年~2008年あたりの射手冥王星の時代に都市計画や国土や国のために、どういう理想を出していくのかという理論が不足していると、今回の射手土星期はしょぼいです。国家事業は山羊の範疇ですが、もっとこの時期の「議論やアイデア」は、ぶっとんでいてもよかった。リーマンショックで景気低迷、現実面はしぼんでいたときです。95年の阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件 こういう事件をきっかけに安全な都市計画について、大胆な議論があってもよかった。ウインドウズ95が出て、家庭にPCやネット環境の普及で、非日常と距離体感の変更も、この時期あたりなので、世間は暗くても、世の中を動かす可能性のあるえらい人たちは、射手らしい能天気さで、不謹慎なアイデアや研究をたくさん出しておいてくれれば、と思います。

射手がのびのび好きなようにすると、だいたい山羊困る、蟹怒る。山羊と蟹は社会と大衆の規定概念なので、安心や安定に関与しているから、シェルターとしては良いけれど、古びて朽ちるという宿命もあります。いつも成長過程にいて、みんなが目を離させないリーダーシップのあるシェルター「山羊―蟹」は、射手がどんどん関係ないものを無邪気に放り込んでいくのが一番、鮮度が保てるのです。

アニメの制作現場には、スケジュールを無視したり、人の話を最初から聞く気がない人たちが仕事していたりしています。そもそも無理な納期や予算で請け負うという理不尽が跋扈しています。戦車道の部活は、いくら伝統ある家元制の稽古事とはいえ、砲弾がどんどん撃ち込まれて、下手すると大けがです(特殊カーボンに守られて死ぬことはないという設定)。飛んでくる砲弾は、青春ドラマによくある思春期葛藤のメタファーでもあるのですが、戦車と砲弾は人殺しの武器という現実認識が抜けないと、見るのがつらいという人も多くいると思いますのでご注意ください。

山羊サインが真面目に組織のために働こうとするのは、なぜか。水島務監督の作品とホロスコープを通して、この世界が、理不尽だからという回答を得ることができました。
射手の世界は、安定したシステムの中では、理不尽の空中戦です。だからこそ次のステップ、広い世界への可能性を「寛容」に扱うことができるのです。